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肝腎なこと ~ 佐藤 愛子

肝腎なことは、 暗い性格を明るくしようと努力することではなく、

例えば「この人はどんなことが好きで どんなことを苦痛に思う人か」を考えることだと 私は思う。


つまり大事なのは想像力であり心配りである。


たとえ無口でおしゃべり下手であっても 熱心に人の話を聞けばいい。

そうすれば話している人は満足する

そういうことは性質とは関係なく出来ることで、

自分の性質のいやさを分析して歎くよりも、 他人に配慮する努力をすれば それでよろしいのである。


佐藤 愛子 / 小説家


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